泡盛とは

知識4 なぜ「琉球」が付くの

泡盛のラベルには、銘柄名や原料、アルコール度数のほかに、「琉球泡盛」と表示されています。

この「琉球泡盛」という表示は、このお酒は沖縄県で造られたものですよ、という証明のようなものです。

その昔は、「本場泡盛」と表示するメーカーが少なくありませんでした。この変遷には国や公正取引委員会との取り決めが大きく関わっています。 簡単にその歴史を振り返ってみましょう。

泡盛は、本土復帰(1972年)後は焼酎乙類として分類されたために、一時期酒類表示にその名称を使用できませんでした。しかし、「焼酎乙類」というよりも、泡盛は昔から泡盛と呼ばれていたことで、「当該品目の名称以外に一般に慣熟した呼称があるものとして財務省令で定める酒類」として認められ、1983年に例外表示として「泡盛」が使用できるようになりました。

同じ年、沖縄で造られた泡盛だけに「本場泡盛」と表示できるようにもなりました。沖縄県酒造組合が、品質表示の適正化や厳格化への対応するため、『泡盛の表示に関する公正競争規約』を作成し、公正取引委員会の承認を得たのです。

どうして、こういう取り決めが必要だったかのでしょう。

実をいうと、かつては沖縄県以外でも泡盛が造られて商品化された歴史があり、法律的には、泡盛の製法を守っていれば、現在でも沖縄以外の地域で泡盛を製造することが可能なのです。そこで、県外産泡盛と沖縄産泡盛との差別化を図るために、このような表示に関する取り決めがなされたのです。

沖縄県内で製造された泡盛に「琉球泡盛」と表示されるようになったのは、平成16年からです。国税庁の「地理的表示に関する表示基準」と「地理的表示に関する表示基準第2項に規定する国税庁長官が指定するぶどう酒、蒸留酒又は清酒の産地を定める件」という2つの基準が公示され、泡盛もその基準を満たしたことで、新たな名称表示ができるようになったのです。

ただし、与那国で製造されているアルコール度数60度の「花酒」などには、「琉球泡盛」の表示はできません。これは、かつて焼酎乙類(現在は単式蒸留焼酎)に分類されていた泡盛の規定が、「アルコール度数45度以下」であることが背景にあります。

記事提供:沖縄県酒造組合

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